旅先で味わった感情は、一生の思い出となる

計画を立てて出発すればよかった

もう数年前の話だ。

熊本から京都にかけて、4日間かけて自転車で走っていた途中のことである。北九州市と下関市を結ぶ関門トンネルを抜けて、山陰地方に向かった私は、夕暮れのなか猛烈な後悔に襲われていた。車通りの激しいと予測される国道2号線を避けて、山陰地方に向かったまではよかった。萩市に立ち寄って少し街中を観光したところまでも、まあよかったのだ。だがその後は、いくら自転車を濃いでも、漁村のような小さな集落があるばかりで、一向ホテルのあるような町が見当たらない。夕方6時を過ぎて、あたりは刻一刻と夕闇が迫っている。島根県の日本海沿いの道を走りながら、私は途方にくれていた。

予想外の出会いが、旅を豊かにしてくれる

ようやく町らしい町を見つけたときには、午後8時をとうに過ぎていた。あたりは当然真っ暗。そんな状況で、これから寝る場所を探さなければならない。なんとも気がふさぐ思いだった。

駅から歩いて5分ほどの距離にホテルがあった。こざっぱりしたビジネスホテル。汗だくの薄汚れた格好でロビーに入るのは気が引けたが、怖気づいては泊まるところも確保できない。一泊したい旨を伝えた。

そのときの受付の女性の対応が今でも忘れられないのだ。小汚い姿を見て驚くでもなく、嘲るでもなく、むしろこちらが嬉しくなるような表情で、「大変でしたね」と声をかけてくれたことが。当たり前かもしれないが、想像しなかったその一言が、その日の疲れを癒してくれたのは言うまでもない。

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